日本語 – (ウィキ)イド語について
イド語
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イド語 Ido |
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話される国 | 世界中 |
地域 | – |
話者数 | 全て第二言語話として1000から2000人 |
順位 | ランク外 |
言語系統 | 人工言語 イド語 |
公的地位 | |
公用語 | 無し |
統制機関 | 国際語イド語の組合 |
言語コード | |
ISO 639-1 | io |
ISO 639-2 | ido |
ISO/DIS 639-3 | |
SIL |
イド語(Ido)とは、1907年にエスペラントの改造案として発表した人工言語である。1907年に国際補助語の選択会がエスペラントを選択した時に「一応選択はするが改造が必要だとみて、検討をすべきだ」という条件がついた。その改造を行う会議が作られ、フランス人エスペランチストのルイ・ボーフロンが会長になった。
このエスペラント改造案には多くのエスペランティストが、国際語の完成の期待を寄せた。多くの人は不完全なエスペラントがその発展にブレーキをかけるのではないかと思った。エスペラントの改造をしようとした人が数多く、1884年にエスペラントを始めて作ったルドヴィコ・ザメンホフも、現在イド語に入っている複数形の-iの使用と対格形の-nを殆どの場合でなくして、語順のため曖昧な場合だけ続けてすることを提案したが、可決には至らなかった。
ボーフロンはパリで 行われた国際語選定代表者会で国際語案の候補としてイド改造案を発表した。イド改造案が発表された後、国際エスペラント運動は重大な分裂が続いた。この新 しい計画は特にプロの言語学者から支持を受けた。しかし、エスペラントはボーフロンのような指導者無しに言語として確立したが、イドの方は一般のエスペラ ンティストの支持を受けられなかった。イディスト(イド語使用者)は発表後も文法規則をよく変えていった。1920年代に入ってからは改造がなくなり、そ の時のイド語と今のイド語はほぼ同じ。しかし時はすでに遅く、多くのイディストたちが離れてしまった後だった。
ただし、組織化されたイド運動は現在でも存在し、インターネットのウェブページと少数の使用者たちによって支えられている。エスペラントのように一年に一回大会を開くが、エスペラントの約2000人に比べて、イド語は最近10年間平均15人ぐらいだけが参加する。
目次[非表示] |
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文法
人工言語として、イド語の文法は例外や不規則動詞活用がなく、文法は他の言語より覚えやすい。以下は単語の最後に付く部分(品詞語尾)の説明。
- 名詞単数形:-o
- 名詞複数形:-i (エスペラントでは-oj)
- 形容詞:-a (エスペラントでは複数形-ajがある)
- 副詞:-e
- 動詞不定現在形:-ar (エスペラントの-iに相当)
- 動詞不定未来形:-or (エスペラントにはない)
- 動詞不定過去形:-ir (エスペラントにはない)
- 動詞現在形:-as
- 動詞未来形:-os
- 動詞過去形:-is
- 動詞命令形:-ez (エスペラントでは-u)
- 仮定形:-us
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人称代名詞
()内は同義のエスペラント 同じ場合は省略
単数 | 複数 | |
1人称 | me – 私 (mi) | ni – 私たち |
2人称 | vu – 君 (vi) tu – お前 (ci) |
vi – 君たち |
3人称 | el(u) – 彼女 (ŝi) il(u) – 彼 (li) ol(u) – それ(ĝi) lu – その人(ri) |
ili – 彼等/彼女等 (ili) |
エスペラントではciはほとんど使われていない。riはまだ正式に認められているとは言いがたいが、対応する単語の例として示した。
再帰代名詞 su – 自身(si)、一般人称代名詞 on(u) – 人々(oni)がある。
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語順
西ヨーロッパ言語の様にイド語の文章は大概SVO型(主語ー動詞ー目的語)の語順である。エスペラントの場合どのような語順でも目的語には対格を示す語尾-n(日本語のをに似ている)を付けるのに対し、イド語の場合目的語が動詞の後にある場合は対格語尾を付けない。
- Me havas libro. Me(私) havas(ある、持っている) libro(本一つ)– 私は本を持っている。(エスペラントでは Mi havas libron.)
しかし、対格語尾を目的語に付ければ、目的語を動詞の前に持ってくることもできる。
- Libron me havas.– 本を私は持っている。本は私を持っているではない。
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形容詞
エスペラントの形容詞は数(単数形か複数形か)と格(主格か対格か)を名詞に一致させる必要があるが、イド語ではその必要が無い。
- Kavali esas rapida. — Kavali(馬たち) esas(である) rapida(早い)–馬(たち)は速い。(エスペラントでは Ĉevaloj estas rapidaj.)
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イド語の例
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Mea vido-cirklo (horizonto)
ロシアの詩人ユンナ・モリツの詩でロシアの音楽者アレクサンドル・スカノブが作った曲のイド語訳
(聞く)
- Me nule savas la Angla, la Franca, la Greka,
- Mea vid-cirklo do restas sat mikra e streta –
- En mea vid-cirklo trovesas nur flori, arbori,
- Nur tero e maro, aero, fairo, amoro.
- Me nule savas la Dana e la Portugala,
- Mea vid-cirklo restas sat infantala –
- Nur joyi rapide pasant’, bruligiva aflikto,
- Nur esperi, e timi noktal’ es en mea vid-cirklo.
- Me savas nek la Sanskrito e nek la Latina,
- Mea vid-cirklo es ancien-mod’ quale tino
- Nur morto e nasko homala, nur grani ed astri
- Aden mea vid-cirklo penetras e standas sat mastre.
- Mea savo artala esas fakultativa.
- Mea vid-cirklo restas presk’ primitiva –
- En olu es nia afero intima, interna
- Por ke kun homaro la Tero flugadez eterne.
- Mea vid-cirklon restriktas nur timi, esperi,
- En olu trovesas nur amo, nur maro e tero.
- Aden mea vid-cirklo penetras e standas sat mastre
- Nur morto e nasko homala, nur grani ed astri.
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